社会福祉士国家試験の合格率ってぶっちゃけ低いですが、国家資格の中では極端に低い訳でもないです。
ここ直近5年間の社会福祉士国家試験の平均合格率は27.6%で、その中でもいちばん低かったのが、平成29年度の25.8%でした。
この時の受験者数は45,849人に対して、合格者数は11,828人でした。
逆にもっとも高かったのは、平成30年度の30.2%。受験者数43,937人に対して合格者数13,288人でした。
さらにさかのぼると、2013年(平成25年)の合格率は18.8%と、かなり落ち込んだ時期があったようです。
しかし、ここ数年の合格率は26~28%と落ち着いているようです。
Contents
直近5年間の最低・最高合格率まとめ
- 最低合格率:25.8%(2017年)
- 最高合格率:30.2%(2018年)
そう簡単に受験出来る資格ではない
社会福祉士国家試験の受験するには一定の条件を満たした人じゃないと受験できません。
福祉系の大学卒で実務経験何年とか、その条件は11通りほどあります。
詳しくはこちらの記事を参考にして下さい。
合格者の内訳をみてみる
合格者の内訳は
- 男性:35%
- 女性:65%
- 福祉系大卒者:60%
- 養成施設卒者:40%
このデータを見てお分かりの通り、男性より女性、養成施設卒より福祉系大卒者の方が多いことがわかります。
また合格者の年齢をざっくりみてみると、合格者の半数以上が30歳までの人、30代~40代で社会福祉士資格を取得している人が約40%もいます。
なので、年齢であきらめる必要などまったくなく、受験資格をクリアしているなら受験する価値は大いにあります。
とはいえ、合格率が良くても30%そこそこの試験なので、他の一般的な国家試験で50%くらいの合格率の試験にくらべたら、それは難易度が高くて躊躇してしまうかもです。
ただ、たくさんある国家資格の中では極めて合格が困難というわけではありません。
社会福祉士の国家試験は、コツコツ勉強を続ければより合格に近づきます。
で、チャンスがあれば是非トライしてほしいです。
社会福祉士試験・合格率が低い理由
考えられる理由は4つ。それぞれ解説します。
- 1.出題範囲が広い
- 2.勉強時間の不足
- 3.勉強のモチベーションを維持できない
- 4.当日力が発揮できない。
1.出題範囲が広い
社会福祉士の国家試験の特徴は、なんといってもその出題範囲の広さにあります。
どんだけ広いの?ってくらい広いので、的が絞りにくいのかもしれませんね。
出題範囲をみてみると、その科目は18科目に及びます。これって福祉系の資格の中ではダントツに多い科目数だったりします。
ちなみに同じ福祉系資格の「介護福祉士」の出題科目数は11科目。
「精神保健福祉士」は16科目なので、この中では圧倒的に多い科目数という事がわかります。
ちなみに社会福祉士の18科目を列挙します。
- 1.人体の構造と機能及び疾病
- 2.心理学理論と心理的支援
- 3.社会理論と社会システム
- 4.現代社会と福祉
- 5.地域福祉の理論と方法
- 6.福祉行財政と福祉計画
- 7.社会保障
- 8.障害者に対する支援と障害者自立支援制度
- 9.低所得者に対する支援と生活保護制度
- 10.保健医療サービス
- 11.権利擁護と成年後見制度
- 12.社会調査の基礎
- 13.相談援助の基盤と専門職
- 14.相談援助の理論と方法
- 15.福祉サービスの組織と経営
- 16.高齢者に対する支援と介護保険制度
- 17.児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
- 18.就労支援サービス、更生保護制度
この18科目は、すべての科目から出題されます。しかも全科目で点をとらなければならないため、どれかを「捨てる」なんてことは出来ません。
18科目もあれば、得意科目と苦手科目に分かれると思います。
とにかく科目が多いので、苦手科目もそれなりに多くなりがちで、それを得意科目だけでカバーできるような状況じゃないことだけ想定しておいて損はないです。
最終的には、合格点に到達するために、いかに苦手科目をクリアするかにかかってきます。
試験日は毎年1回ときまっているので、そこから逆算すれば勉強の計画を立てる事が可能になります。
まずは、この18科目の攻略法を自分なりに考えてトライし、合格することで釈迦福祉士試験の合格率を上げる事になりますね。
2.勉強時間の不足
前項で解説した18項目。この18項目の勉強+αで必要勉強時間は300時間といわれています。
実際、大学を卒業した状態、もしくはすでに働きながら社会福祉士の国家試験に挑もうとするならば、この300時間の勉強はかなり大変です。
脳ミソ疲れ果ててしまいます。
一夜漬けでやる!なんて、そんなことが通用するような劇甘な資格なんかではありません。
ある意味、ボスキャラ的な強さを誇る国家試験だと思った方が無難ですね。
また、年齢によっては覚えられる量などにも差が出てきます。
とにかく勉強に専念できる環境にあるかどうかでも、かなり知識取得に差がでやすかったりします。
試験までの1年のスパンで見た時に、どの科目をどれくらいの配分でやるか?など、しっかり計画性をもってやらないとなかなかきついかもですね。
そういった意味では、通信講座などを利用するのもありです。
通信講座なら、試験までの間にやるべきことなどのカリキュラムがしっかり組まれていて、取りこぼしが少ないはずです。
独学で参考書をかってきてやるのもいいですが、できれば一発合格目指したいですよね。
300時間を確実にものにするためにも、社会福祉士の通信講座は検討の余地はありです。
おすすめの社会福祉士講座2選
3.勉強のモチベーションを維持できない
モチベーションを維持できない・・・それって本人のヤル気がたりないだけかもです。社会福祉士の資格取得はそんな甘いもんじゃない事を頭に叩き込まなきゃいけないですね。
モチベーションというか、ゼッタイ合格する気持ちが足りないからモチベーションを維持できない。
たとえ300時間勉強したとしても、そのような状態ではダラダラ感が否めないです。そうなると、次の単元の勉強が終わったころには、1個前の学習内容は完全に頭からなくなってしまう予想がつきます。
モチベーションを維持できなくても、集中力を切らさず勉強に打ち込めれば、記憶力も増し覚えるスピードも
UPするはず。
モチベーションをアップする方法としては、やる気ある人と一緒に勉強するとかです。
この場合、友達でもだれでもいいのですが、競い合う事で競争心が高まります⇒実善的にやる気がでてモチベーションアップに繋がります。
そもそも何のために社会福祉士の資格を受験するか?なんのために社会福祉士になりたいのか?根本的にそこを追求すれば、おのずとヤル気UPに繋がりますね。
4.当日力が発揮できない。
実力を発揮する以前の問題として、受験番号や氏名の記入忘れ、回答ミスなど定番ミスとしてあるあるです。
特にマークシート方式なので、回答欄がひとつずれて記入してしまったら、あとは奈落の底におちていきます。
すでに終わってますね。
また、健康管理は十分にしていたはずなのに、試験当日に風邪ひいて熱っぽかったり、頭痛い。さらには緊張から下痢が止まらないなど、コンディション最悪。なんてケースもあったりします。
もっとひどい場合、どうしても体調が悪くて欠席してします。なんて事で試験すら受けられなかったりするケースもあります。
計画性をもって取り組んできた社会福祉士試験に臨んだものの、結局は実力を発揮できないまま終わってしまう。
そんな事例が、社会福祉士試験の合格率を下げている要因の一つになります。
受験勉強と同時、あらゆる想定外の事に対応できる体力とメンタルを鍛える事も重要なポイントの一つです。
社会福祉士試験の合格ライン
これだけ合格率が低く難易度の高い国家資格の「社会福祉士」ですが、その国家試験の合格ラインはというと、総得点の60%以上が必須です。
さらには、あの18科目すべてで得点をとること。
この二つをクリアしなければなりません。
ただ、問題の難易度によって毎年合格基準となる得点が変わるので、その年によって変動します。
不合格の例をあげると、総得点で70%以上獲得しても、18科目中の1科目でも0点があれば即、不合格決定です。
これは身も心も萎えますね。
先に述べた中で、得意科目、苦手科目の話しをしましたが、苦手科目でも最低1点はてれるくらいの勉強はしておかなければなりません。
後の得意科目で点数を上げて、苦手科目分を補えればそれでOKになりますね。
ポイントは、得意科目をやり込むより、苦手科目を少しでも補って基準点をとれればそれでおっけ―ですので。
最後は合格して合格率をあげる【まとめ】
社会福祉士試験の合格率をあげるには、まずは当然ながら合格することです。
で、合格するには、総得点の60%以上をとること。
18科目すべてで得点すること。1科目でも0点があれば即不合格確定です。
ポイントは時間配分です。
配分内容は、1問にかける時間がどれくらいあるか?です。
試験時間は240分。1問1点の問題は150問出題。この場合、1問にさける時間はだいたい1分半です。
余裕と思うか、足りないと思うかはあなた次第ですが。
さらには、最終問題に近かずいた時点で残りの問題がどれくらいあるか?それが得意か苦手か?でも変わってきます。
気持ちの焦りからケアレスミスなど起こしてしまうリスクも高まります。
ケアレスミス程もったいないことはありませんから。
そうならないように、常にトレーニングをしておくことは過去問題をいかに沢山こなすか?です。
過去問であるていどシュミレーションをしつつ時間配分を考え、得意苦手問題の比率(その人しかわからない)などをざっくりでも分析しておけば、当日あるていどの心構えがつくはずです。
日頃からどこまで意識高い系になれるか?あとは自分との闘いですね。
しっかり計画性をもって、しっかり準備して、しっかり取り組んでいけば社会福祉士の国家試験に合格し、さらにはその合格率UPに貢献できたりします。