こんにちは。yontaro教授です。
今回はマンション管理士と管理業務主任者の相違点を比較してみました。
どちらも国家試験で試験内容も重複するところが多く、ダブルで受験する方が増えてます。
この2つの国家資格の業務内容や試験内容を徹底比較致しました。
Contents
マンション管理士と管理業務主任者を比較
マンション管理士
マンション管理士の業務は、マンション管理組合に対して、マンション管理組合(所有者・住民)側の立場で行われます。
[jin_icon_check color=”#04B404″ size=”18px”]おもな業務内容- 分譲マンションの管理
- 運営に関する指導
- アドバイス
- コンサルティング等
管理業務主任者
管理業務主任者は、マンション管理会社側の立場でマンション管理組合と締結する管理受託契約に関して以下の業務を行います。
[jin_icon_check color=”#04B404″ size=”18px”]おもな業務内容- 重要事項説明
- 管理事務に関する報告 など
マンション管理士 | 管理業務主任者 | |
対象物 | 分譲マンション | |
業務内容 | アドバイス・コンサルティング・指導など | 重要事項説明・管理事務への報告など |
対象事務 | マンションの管理・運営 | マンション管理会社と管理組合との締結管理受託契約等 |
相手 | マンション管理組合 | |
立場 | 区分所有者・住民(マンション管理組合側) | マンション管理会社側 |
独占業務 | なし | あり(下記記載) |
設置義務 | なし | あり(下記記載) |
図で示すと以下のとおり。
※画像出典:ユーキャン
順番に解説していきます。
共通業務
どちらの資格も対象にするのは「分譲マンション」です。
業務の相手になるのは「マンション管理組合」です。
マンション管理組合は、その名のとおり分譲マンションの管理をおこなう人のたちの集まりです。
ざっくり言えばマンションを買った人になりますね。いわゆる区分所有者(マンション占有部分の所有者)です。
では賃貸マンションは対象じゃないの?という疑問がでますが、賃貸マンションの場合は「賃貸不動産経営管理士」になります。
マンションを借りてるだけで購入してないので、専有部分の所有者ではないです。
独占業務
独占業務の有無はマンション管理士と管理業務主任者の大きな違いのひとつになります。
そもそも独占業務とは、その資格を取得している者だけがその業務を行うことができるというものです。
今回の2つの資格を例にとると、管理業務主任者ができる業務をマンション管理士は出来ない。という事になります。
管理業務主任者4つの独占業務
- 1.管理受託契約に関する重要事項説明
- 2.管理受託契約に関する重要事項説明書への記名・押印
- 3.管理受託契約書への記名・押印
- 4.管理事務に関する報告
設置義務
さらに管理業務主任者には設置業務もあります。マンション管理士にはありません。
では設置義務とは何でしょう?
設置義務とは、ある事業を行う場合に必ずその有資格者がいなければならないと法律で定められた事です。
管理業務主任者は、その設置義務にあたる資格になります。
管理業務主任者の設置業務内容は以下のとおり。
-
マンション管理業者は、その管理を受託する管理組合の数に応じて、30管理組合ごとに1名以上の「管理業務主任者」を設置する義務がある。
上記のように、管理業務主任者には独占業務があるため、その業務を行うことができる管理業務主任者を必ず設置しなければなりません。
その内容からいくと管理業務主任者の場合、管理会社に雇用される形が多くなると思います。
一方のマンション管理士は、独占業務や設置義務がないため、独立開業ができる仕事になります。
それぞれの業務内容詳細
それではマンション管理士と管理業務主任者の業務内容を解説します。
マンション管理士の業務内容
前半の表にもあるように、マンション管理士の業務は以下の3つに分かれます。
- 助言・指導・援助
- コンサルティング
- トラブル対応
順番に説明します。
マンション管理組合の運営に関する助言・指導・援助
マンションの居住民で運営しているマンション管理組合は、ほとんどの場合そこにマンション管理のプロはいません。
マンション管理組合dの必須業務は以下のとおり
- 会計処理
- 運営コストの削減
- 建物に関する疑問
- 理事会総会の議案のまとめ
- 管理会社との関係など
正直、管理組合と言っても素人の集まりだったりすることがほぼほぼです。
その場合、上記のような問題に対して適切な対応ができなかったりします。
そこでその問題などに対しての適切なアドバイスや調整などといった、管理組合の運営全般をサポートしたりします。
コンサルティング業務の内容
マンションを維持するのに避けては通れないのが大規模修繕だったりします。
築年数30年を超えたあたりから、大規模修繕などの保全が必要になります。
そのため、管理組合において老朽化対策を話し合うため専門家であるマンション管理士の支援が必須になります。
大規模修繕には相当な費用がかかるので、そのための長期修繕計画や修繕積立金についての規定の整備、大規模修繕の計画立案、マンション管理規約の作成・見直しなどについてコンサルティングします。
トラブル対応
マンションのような集合住宅の場合、さまざまな人が暮らしています。
まいや巨大マンションだったりすると、その住戸数はかなり多くなります。
人が多く集まればそこに暮らす住民間のトラブルがあるのはある意味普通かもしれません。
そんな住民間のトラブルの他、マンション管理会社支払っているいわゆる「管理費」が、その業務と内容が適切かどうか?を見直したりといったマンション管理組合のサポートを行います。
管理業務主任者の業務内容
上記で説明した管理業務主任者の独占業務の内容が以下のとおりです。
1.管理受託契約に関する重要事項説明
マンション管理組合から委託を受けているマンション管理業者は、
管理業務の委託契約締結前に、マンション管理組合を構成する区分所有者等に対して重要事項説明をしなければなりません。
おもな重要事項説明の内容
- 管理事務の対象
- 内容
- 実施方法
- 費用
- 支払時期
- 契約の期間
- 更新・解除など
この管理受託契約に関する重要事項説明を行えるのは「管理業務主任者」だけになります。
2.管理受託契約に関する重要事項説明書への記名・押印
重要事項説明をする相手に渡すための重要事項説明書を作成し、その書類へ管理業務主任者の記名と押印が義務付けられています。
3.管理受託契約書への記名・押印
重要事項の説明後、管理組合と管理受託契約が成立した際に交付する契約書に管理業務主任者が、契約書内の不備や相違がないかを確認して、記名・押印することが義務付けられています。
4.管理事務に関する報告
受託した管理事務の処理状況について、管理業務主任者は定期的報告の義務があります。
以上の4つの業務が管理業務主任者の独占業務になります。
まとめ
今回は、マンション管理士と管理業務主任者の相違点について比較してきました。
内容がかぶるところが多々あるものの、それぞれの資格内容にも特徴があります。
管理業務主任者にあってマンション管理士にないものは「独占業務」と「設置義務」がでした。
また、企業雇用スタイルは管理業務主任者ですが、独立開業をめざせるのはマンション管理士だったりします。
このように試験の内容の80%が同じと言われていますが、それぞれ特徴があり内容も違っています。
とくにこの2つの試験をダブルで受験することでマンション管理士試験の問題数が5問免除されるなど、2の資格取得をめざせるメリットなども用意されています。
これからこの資格取得を考えている方は、是非このブログを参考にされて下さい。
最後までお読み下さりありがとうございました。